タブレット&基幹システム連携で月45時間の工数削減
日建産業株式会社様 概要
創業1939年の日建産業は、大阪市西区立売堀に本社を構え、水道管や建設機械、産業機械に使用されている鋼管を独自の技術を駆使してつくり続ける鋼管加工メーカーです。また、韓国や台湾に拠点を構え、メーカーとして磨き上げてきたモノづくりを見極める確かな目を活かし企業や技術同士をつなぐ国際調達ビジネスを行う商社の顔や新しいビジネスモデルや商材、人材を支援し新しい価値をはぐくむ顔と、3つの顔をあわせ持つ企業です。
建設・産業機械や水道管など、生活を支える製品をつくる同社のモノづくりは、高い加工精度とミスが許されない仕事が必要とされます。
より良いモノをつくり続けるために、新しいことにも果敢に挑戦し続ける。今回のカカナイの導入も、同社のチャレンジのひとつだと考えています。
導入の経緯
導入前は各工程毎で紙の製造日報や検査日報に実績を記入、翌日、その手書きの日報をもとに既存の基幹システムにデータ入力する作業をしていました。人の手を多く介するために、入力ミスや手間もかかってしまいますし、何よりも実績が反映されるのが翌日であるために、作業中は材料の使用数量や生産数量は各現場に行かないと把握する事ができませんでした。
そんな時に大阪市が主催するプレゼン発表会でカカナイに出逢いました。初期費用なくスクラッチのWebシステムを開発するコンセプトは、他社では聞いたことがありませんでしたし、仕事の進め方が多様でパッケージソフトが適応出来ない製造現場にぴったりな商品だと思いました。
また、既存の基幹システムと連携できることも大きかったです。基幹システムを開発した会社との会議や要件定義の会議にも直接出て頂けるので話がスムーズに伝わる。直ぐに現場がよくなるイメージが湧きましたので、導入することを即断しました。
基幹システムとのリアルタイム連携で月45時間の効率化。棚卸し差異ゼロ
月45時間以上の工数削減
現場で手書きしていた製造日報や検査票をタブレットで入力に置き換え、入力データを基幹システムとリアルタイムで連携することで、従来行っていた手書き日報からの入力作業がなくなり、検査成績書等の関連帳票が自動生成されることで、月間45時間以上の工数削減を実現しています。
鋼管棚卸し差異がゼロに
製造過程でタブレットに入力した在庫の引当て、引き落しが、基幹システムの在庫と現品をリアルタイムで確認できるようになることで、棚卸時の実在庫数と基幹システムでの理論在庫数の差異がなくなりました。
現場での入力ミスがなくなり、基幹システムの「月ずれ」も解消
在庫数を超える材料の引き落しなど、異常データが入力されるとアラートで教えてくれる機能によって、手書きで起こっていた記入ミスはなくなりました。
また、以前は現場の製造日報や検査票を、基幹システムに入力するまでにタイムラグがありましたが、リアルタイム連携されることによりデータ反映の月ずれなどもなくなりました。
職場が明るくなり、採用にもよい効果
働き方の配慮から製造現場の雰囲気も良くなり、求人募集の際も先進的な取り組みをしている会社として評価され、魅力の一つとなっています。
タブレットシステムと基幹システム連携 概要
鋼管投入日報
検査(サンプリング検査)の結果を記録する日報
作業日報システム 日報名内容 |
基幹システム連携 | |
---|---|---|
ラインへの鋼管投入を記録する日報 | 鋼管不良入力 他 | |
塩ビ投入日報 | ラインへの塩ビ管投入を記録する日報 | 塩ビ管不良入力、在庫引落 他 |
工程内検査 | ライン終了時の検査結果を 記録する日報 |
仕掛入力 他 |
塗装検査 | 塗装終了時の検査結果を記録する日報 | 検査結束入力 他 |
不良入力 | 製品に不良がある場合に記録する日報 | 鋼管不良入力 他 |
性能試験 | 推抜検査(サンプリング検査)の結果を記録する日報 | – |
〇システム画面例
鋼管投入日報 -入力画面
塩ビ管投入日報 -入力画面
工程内検査日報 -入力画面
性能検査日報 -入力画面
鉄鋼業界の好例となるIT業務改革を共に進めていきたい
昨今の「働き方改革」に代表される様に、ITシステムを使った業務改革の必要性が急速に増しています。
一方で社内資源(人や情報など)だけでは、これを進める事は難しいと考えています。
株式会社Mountain Gorilla様には、製造現場以外の販売管理や業務アプリ、そして鉄鋼業界特有の仕事の進め方について知識を身に付けて頂き、製造現場のデータ取集からネットワーク全体に至るまでを総合的にサポートをして頂ける様なパートナーになって頂ける事を期待します。
また他社様の事例も沢山お持ちだと思いますので、その事例の中から弊社が思いつかない様なアイデアや企画をドンドン提案して頂きながら、共に業界の好例となる業務改革を進めていけると嬉しく思います。
システムの改善点については、作業者の入力ミスを防ぐためのシステムチェックは行っていますが、それでも入力ミスは発生しています。入力ミスの事例を集めて、チェック機能強化に繋げたいと考えています。
カカナイ担当者より
製造現場で使うタブレットシステムですので、画面に表示される値が見やすいか、ボタンなどは間違えずに押しやすい大きで適切な位置にあるかなど、ユーザーインターフェスに神経を使いました。
また、本システムでは、タブレットのカメラと連動して、現場で撮った写真とデータを結び付けて保存する機能や、基幹システムともスムーズに連携できており、開発者として満足のいくものになったと思っています。